1972年7月、英国の科学雑誌「ネイチャー」にある研究と理論が掲載されました。それは酸化チタンの単結晶と白金を電極として水溶液に入れ、酸化チタンに強い光を当てると白金側で水素が、酸化チタン側で酸素が発生するというもの。
水を太陽光で分解できるとする画期的な反応・・・。現在「ホンダ・フジシマ効果」と呼ばれるものです。このホンダ・フジシマ効果が、酸化チタンの光触媒反応を使った抗菌、セルフクリーニング効果等をはじめとする環境浄化のさまざまな研究と応用の出発にあります。
光触媒とは、簡単に言うと・・・
太陽などの光エネルギーを利用して、それ自身は変化しないで、新しい物質を作ったり、または物質を分解したりする化学反応を速く進める効果のある物質のことです。
[触媒のイメージ図]

植物の光合成も光触媒反応であり、葉緑素が光触媒となります。
光合成とは 植物の葉の中で、太陽光によって炭酸ガスと水が反応してデンプンと酸素ができる反応です。このとき、植物の葉の中にある「葉緑素」が太陽エネルギーを吸収して、光合成反応を起こし、デンプンと酸素をつくります。
しかも 「葉緑素」は反応の前後で全く変化しません。 つまりこの「葉緑素」のようなものを光触媒と例えられるわけです。

これまで多くの人たちが光触媒となる物質を探してきました。しかし、酸化チタン以上の光触媒は現時点では見つかっていません。酸化チタンをベースとして他の物質を組み合わせることで、光触媒反応を高める研究がされています。
酸化チタンの特徴は、いくつかあります。
1.白い粉
2.ものすごく小さく目に見えないレベル
(1粒の大きさ=10ナノメートル=0.00001ミリ)
3.地球で9番目に多いもの。
4.人体に無害。
酸化チタンは、私たちの生活空間の中にあふれています。酸化チタンは白い色をつけるために使われており、白いペンキや白いクレヨン、白い紙、白い壁などに使われています。ホワイトチョコレートにも酸化チタンは使われていて人体には無害なものです。化粧品にも使われています。

これらは出来るだけ、光に反応しない酸化チタンを使用していますが、光触媒反応は全く逆に光に反応しやすい酸化チタンを使用しています。光に反応しやすい結晶構造をアナターゼ型といいます。ルチル型の良質の単結晶は入手しやすいものですが、アナターゼ型は最近のナノテクノロジーにより光触媒としての酸化チタンの表面観察が進歩し、入手しやすくなりました。
光触媒反応による抗菌性は、酸化チタンの表面に紫外線が当たり、活性酸素が発生し、これが菌に接触することで作用し、細胞膜を破壊し、二酸化炭素と水まで分解することで起こります。

また、光触媒による外装材等における表面を清掃な状態に保つセルフクリーニング機能は、先程の菌等を分解する有機物分解性と親水性の状態によるものです。この酸化チタンの親水性は、水に非常になじみやすくなる性質のことをいいます。一般的な材料では水滴がつきますが、酸化チタンをコーティングすると、ほぼ完全に一様な膜になって広がります。よって水のコーティングをされているような状態となり油よごれも浮いてしまいます。
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